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祖母の遺骨を愛用の湯呑で手元供養

手元供養の体験談
手元供養
祖母の遺骨を愛用の湯呑で手元供養
【体験談5】

私は両親と同居しています。自宅の仏壇には、父方の祖母が生前愛用していた湯呑があり、その中に遺骨の一部を納め、手元供養しています。

これには、亡き母親に対する父の強い思いが込められているのです。

祖母が亡くなったのは4年前でした。祖母は伯父一家と、父の実家でくらしていました。実家があるのは、四国の香川。埼玉のわがやからは大変に遠いところです。お墓も実家の近くですので、年忌法要の時以外は、なかなか墓参して供養することができません。

父はたいへんに祖母を愛していましたので、それが残念でなりませんでした。そこで伯父に頼み、四十九日の納骨のときに、分骨してもらうことにしたのです。といっても、こちらに新しくお墓を持つのは大変ですので、遺骨のほんの一部を分けてもらって、それを愛用の湯飲みに納める方法を考えました。

ふたのついた湯呑は、お骨を納めるのに適していました。お骨を、これも祖母愛用だったハンカチにくるみ、それをビニールの袋に入れて密閉してあります。湯呑のふたは封をしてありませんから、ふたを開けて中のハンカチを見ることもできます。

お盆やお彼岸には、そのハンカチを取り出して、仏壇にそなえ、家族でお参りしています。孫の私にとっても、ただ戒名の書いてある位牌を拝むよりも、祖母を直接供養できますので、気持ちがとても落ち着きます。

「手元供養」という言い方があることを、私は最近になって知りました。父も同じで、そういう供養方法を知っていたから分骨してもらったのではなく、強い思いが図らずも手元供養になったというわけなのです。


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